コンクリート構造物は、地震という物理的な原因による被害や中性化・アルカリ骨材反応 という化学的な原因により経年劣化し、破壊するまでその強度を減衰させていきます。その復旧の際には、大規模改修による莫大な費用を伴わない補修方法とし て「自動式低圧樹脂注入工法」が多用されています。
しかしながら、この注入は雨水を建物に入れない為の注入で、コンクリート内部構造にま では達しないものであります。IPH工法は、「強度復元力」を達成する機能に完成しました。本工法では穿孔穴の内部から注入された樹脂がコンクリート躯体 内で放射状に拡散することにより、末端の微細クラックまで充填することができます。
その画期的な特長から、鉄筋とコンクリートの付着強度を高めるだけではなく、さらに高 い防錆効果が得られる唯一の高密度充填工法として土木学会の技術評価を得ています。又、「開発の名称:コンクリート構造物への注入充填材の注入方法、及び 注入方法に使用する注入器」として特許取得をしています。
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(1)高密度充填 |
一般工法では、注入用の樹脂の粘度がJIS規格で1000mpa・s以下と設定され、加圧力は建築改修工事共通仕様書で0.4N以下と定められています。 本工法では、高流動性のエポキシ樹脂を用い、注入化圧力を0.06±0.01~0.02N/m㎡という超低圧に抑えることで毛細管現象も生かされ、まるで 植物の葉脈すべてに水分や養分が行きわたるようなイメージの高密度かつ高精度な充填が可能になります。さらに、注入器(IPHカプセル)本体には、注入材 の浸透を阻害する内部エアーを排出する機能があります。
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(2)耐久性の向上 |
同上の要素から構造物内の0.1mm以下のクラックへの注入が容易であり、計測実績からは0.01mm程度の微細クラックへの注入も可能です。それに伴い、新設時よりもコンクリート躯体強度が増すことから耐久性の向上が大いに期待できます。
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(3)鉄筋防錆・中性化抑制 |
下地調整用セメントペースト(IPH#300)の成分が内部鉄筋周囲まで確実に浸透することにより、鉄筋の防錆効果が高まるとともに、再アルカリ化からコンクリートの中性化を抑制します。
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(4)注入状況の可視化と遮光機能 |
遮光カプセルケースを使用しておりますので、注入材残量等が目視確認できるとともに、紫外線や日射熱の影響を緩和します。
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(5)供用を防げない施工が可能 |
道路・鉄道・空港等、施設の利用状態での施工が可能です。 |
施工手順 |
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劣化部・ひびわれ部をVDRダイヤモンドで吸塵システムで研磨。欠損部はIPH#600で補修し、注入ポイントをマーキングする | ||
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注入カプセル取付位置を水循環型のIPHミストダイヤで穿孔する | ||
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注入ポイントにピックアップシールを用い、JP台座を取り付ける (低温時等、高速硬化の必要な場合には、クイックシールを使用する。) |
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注入ポイント以外のひび割れ箇所は、漏れ防止の為、ピックアップシールで密閉する。 (高速硬化の必要な名愛には、クイックシールを使用する。) |
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IPHカプセルを取り付け、E-396Hを注入する。 (低温時等には、硬化の早いA-396MSCを使用する) |
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注入カプセル及びピックアップシールを取り除く。 | ||
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VDRダイヤモンド吸塵システムで研磨し、IPH#300を塗布する。。硬化後、無機系通気型撥水塗料セラブレンドで塗装仕上げ保護ライニングとする。 |